北九州市八幡東区のJR八幡駅国際通りには、65年以上も八幡を見守ってきたケヤキ並木があります。
駅の改札を出るとそのケヤキ並木とシンボルでもある皿倉山が一同に見え、電柱など遮るものがなく絶景、だと私は通るたびに思います。
そんなケヤキを後世に残したいとスタートした「グランスカ」というプロジェクトがあります。
これは、市街地再開発事業によって誕生した商業施設「さわらびガーデンモール八幡」の中にそのシンボル的スペースが位置し、誰でも気軽に一息つける、いわばまちのためのスポット、です。
今回、この「グランスカ」プロジェクトは、新たな地域コミュニティづくりにおけるまちの基点となるべく、エリアの地域活性化などにも注力するため、私たち福原材木店、エスプレッソホームと協力体制を構築していただくこととなりました。
感染症により地域コミュニティの在り方や人と地域、人と人との距離が遠く感じることも増えました。
こうした中、これら交流の場、休憩スポットは、ただそれだけのための場所ではなく、ひとつのコミュニティを生む場として活用できないか?という気づきが第一歩を踏み出せたのです。
同じよう、私たちも地元で新たにコミュニティを生む場所を作っています。
そうした同じ志のもと、八幡駅前の施設管理運営、グランスカを生んだ八幡駅前開発株式会社さんとご一緒する機会が生まれたのです。
そもそもこのグランスカ。
同施設内に隣接し、スーパーマーケットがあります。
私たちが考えたのは、このスーパーマーケットとの関係性。
スーパーマーケットとは、幅広い商品を揃え、顧客のニーズに答えるものを売って、サービスを提供する場です。と同時に、「公共的な立場をもつ場」であり、「誰もがアクセス可能な場」でもあると言えます。
こうした場所を、「コミュニティ」と呼ぶのでは?と考えました。
「目的の買い物だけをするためにいく場所」から、「買い物が目的でなくても行きたい場所」への変換。
そこで、会話があり、出会いがあり、人がいつもいる景色があり、様々なそれぞれの目的で過ごしにいく場所として、利用してもらうことは、このまちに対する愛情がアップするように思います。
うちの建築士が最初に考えたのは、こんなプラン。
当初の設計案より、試行錯誤を繰り返し、完成したデザインがこちら。
グランスカは、現状のケヤキのテーブル(当初より設置してあるケヤキ材を使った家具)を生かすために直線的なディテールのベンチとカウンターで統一。
邪魔にならない角のあるデザインと色味で、かつ学生さんが多いエリアならではの勉強スペースとしても使えるよう配慮。
カウンターには、USBとコンセントを設け、より利用しやすい環境を目指しました。
お披露目当日には、地元の大学生を招き、コーヒーを振る舞い、セッションしました。
さっそくこの日から、多くの方々がこの席を利用くださり、常に満席だったそう。
ここから、何か新しいコミュニティが生まれたり、地元の人たちにとっての憩いの場となりますように。
そして、私たちのコミュニティカフェプロジェクトも、同時に進めていきます。