韓国バリスタのキム・ヒョソプ氏。
国境を越えて大親友となった彼が私につくったオリジナルブレンド。
結婚式を記念してつくってくれたブレンドと、そしてもう1つは、会社の新しいスタート、新社屋の完成を祝したオリジナルコーヒーブレンドでした。
彼は今回のこのオリジナルブレンドについて、このように話してくれました。
このコーヒーは、福原材木店の核である「木」をコンセプトにしたブレンドです。1本の木ではなく、「Between the Trees(木々の間で)」 と名付けたのは、木々の間に咲く花と、たわわに実る果実、さわかな新芽、木々の間をぬける風、など飲む人の想像力を無限に膨らませ、余韻を残したいとそう思ったからです。
そのブレンドを作るべく、私はメキシコのMexico Las Chicharras という農園を訪ねました。
Chicharras とは現地語で、「蝉」を意味します。
このコーヒーが栽培された地域の木には、蝉が非常に多いことから建てられた農場の名前です。
蝉は数年間、土の中で辛抱強く持ち堪え、新たな姿で世に出てきては、自分の存在を世の中に大声で知らせる素敵な昆虫です。
エスプレッソホームという事業には、蝉と同じような忍耐と準備過程があったと思います。新しい姿で世の中に出てきて、多くの人々に自身の存在を知らせ、愛される存在(会社)になっていくという思いを込めて選定しました。
メキシコで45カ所の農場のコーヒーを、比較・テストし、選定したコーヒーです。
メキシコのWoody感ある味が、多少荒く感じることがあると思い、コロンビア、ブラジル、インドのコーヒーを使ってバランスをとりました。
また、エチオピアは、「花」を象徴するコーヒーです。
「花」は、新しい始まりを象徴します。
まっすぐに育った木に咲いた、ほのかな花の香りをブレンドに表現しました。
フルボディーで甘く、花の香りや木の香りを表現したコーヒーです。
こうして彼は、これまで私に2つの特別なブレンドをつくってくれました。
そのためだけに、海外の農園にわたり、気が付けばカフェを創業していた。
そんな彼がまた1つ、私の事業に手をかしてくれることになりました。
エスプレッソホームだけのオリジナルブレンドコーヒー。
それは、これまで私たちがやってきた地域とのコミュニティの場をつくろうという活動の助けとなるコーヒーです。
もっとこの地を盛り上げよう。
もっとこの地に人を集めよう。
もっと、もっと貢献していきたい。
考えたのは
地域のお祭り行事にはかかさなかった、母をイメージしたコーヒー。
人物をイメージしたコーヒーなんて、どういうものになるのか
私には、まったく見当がつきません。
ただ、彼は過去に2度も、想いをコーヒーで表現してくれました。
エスプレッソホームを、そして母をイメージした特別なコーヒーを見つけようと思います。
行って近いうちに結果をだすよ。
そう彼はメッセージを残し、ケニアへと旅立ちました。
ヒョソプ氏が泣いてくれた日。
それは、母が亡くなった日でした。